Suno AIでホラーゲーム用BGMを作ってみた【ホラゲの不安感を演出するプロンプト設計の考え方】

 ホラーゲームを制作していると、「怖い演出」そのもの以上に、

音楽や環境音による心理的な不安感がいかに重要かを実感します。

今回は Suno AI を使って、
ホラーゲーム向けのBGMを作成するためのプロンプト設計に挑戦してみました。

完全な再現や既存作品の模倣ではなく、
「なぜその指示を入れているのか」「どんな効果を狙っているのか」を
整理しながら作った実験的なプロンプトになります。

実際に生成した楽曲は、こちらの動画で確認できます。

ホラーゲームのBGMは、
プレイヤーの感情を盛り上げることよりも、
違和感・不安・緊張を持続させる役割が重要になります。

そのため、

  • 分かりやすいメロディを避ける

  • 解決しない和音を使う

  • 静と動の落差を強調する

といった要素が有効になります。

今回のプロンプトでは、
あえて「聴きやすさ」を削り、
心理的に落ち着かない状態を維持する構成を意識しました。

Lyrics(リリック)の設計意図

まずは Lyrics(リリック) 側で、
曲の展開と演出を細かく指定しています。

実際に使用したLyric

[Intro] (Low frequency drone) (Cold wind noise) (Creaking wood sound) [Verse] (Sparse dissonant piano notes) (Uncomfortable silence) (Eerie texture) [Chorus] (Rising tension) (High pitched string scratch) (Sense of dread) [Bridge] (Distorted whisper FX) (Low deep bass rumble) [Outro] (Return to minimal piano) (Unresolved chord) (Loop)

各セクションの狙いと解説

[Intro]

(Low frequency drone):低周波のドローン音
低く持続する音を鳴らし続けることで、
無意識に不安や緊張を感じさせる効果があります。

(Cold wind noise):冷たい風のノイズ音
環境音に近い成分を加えることで、
「安全ではない場所」にいる印象を強めます。

(Creaking wood sound):木が軋むような音
建物の老朽化や、誰かが近くにいる気配を連想させる効果があります。

これらを組み合わせることで、
音楽が始まる前から不安な空気が漂っている状態を作ります。

[Verse]

(Sparse dissonant piano notes):間隔の空いた不協和なピアノ音
旋律として成立しない音配置を指定し、
「何かがおかしい」と感じさせる響きを狙っています。

(Uncomfortable silence):不快に感じる沈黙
音を鳴らさない時間をあえて意識させることで、
次に何が起こるのか分からない緊張感を生みます。

(Eerie texture):不気味な音の質感
はっきりとした楽器音ではなく、
曖昧で正体不明な音像を作るための指定です。

このセクションでは、
「怖い出来事が起こる前の落ち着かない静けさ」を表現しています。

[Chorus]

(Rising tension):徐々に高まる緊張感
音量や密度が少しずつ上がることで、
プレイヤーの心理を追い込んでいきます。

(High pitched string scratch):高音域の弦を擦るような音
人が本能的に嫌悪感を覚えやすい音域を使い、
不快感を意図的に強めています。

(Sense of dread):差し迫る恐怖感
「何かが来る」という予感を、
音だけで伝えるための感情指定です。

ここでは盛り上がりではなく、
恐怖のピークに向かう圧迫感を作っています。

[Bridge]

(Distorted whisper FX):歪んだ囁き声の効果音
人の声に近い音を入れることで、
「見えない存在」を強く意識させます。

(Low deep bass rumble):低く唸るような重低音
地鳴りのような音で、
危険がすぐ近くまで迫っている印象を与えます。

この部分は、
恐怖が具体的な存在として近づいてくる瞬間を想定しています。

[Outro]

(Return to minimal piano):最小限のピアノに戻る
一度高まった緊張を、
完全には解消せず静かに落とします。

(Unresolved chord):解決しない和音
聴き終わってもスッキリしない響きを残し、
不安感を持続させます。

(Loop):ループ指定
探索エリアなどで違和感が続くよう、
自然に繰り返せる構成を意識しています。

Style(音楽スタイル)の設計意図

次に Style の指定です。

psychological horror, dissonant piano, dark ambient, uneasy atmosphere, creepy whispers, minimal, suspenseful, slow tempo

Style指定のポイント解説

  • psychological horror
    心理的恐怖を重視するための指定です。

  • dissonant piano
    和音を外したピアノ表現を強制し、不安定さを演出します。

  • dark ambient
    環境音に近いBGMになりやすく、ゲームとの親和性が高くなります。

  • uneasy atmosphere / creepy whispers
    「不快」「落ち着かない」雰囲気を明示的に指示しています。

  • minimal / slow tempo
    音数を減らし、プレイヤーの集中を妨げない構成にしています。

細かく指定する理由について

Suno AIでは、
同じプロンプトを使っても 同じ曲が生成されることはほぼありません

そのため、
どうしても「ガチャ要素」は残りますが、

  • 指示を具体的にする

  • 抽象的な感情を言語化する

  • 音の役割を明確にする

ことで、
狙った方向性に寄る確率を上げることは可能です。

今回のプロンプトも、
できるだけ再現性を高めるために、
細かく要素を分解して指定しています。

まとめ

今回は、
Suno AIを使って ホラーゲーム用BGM を作成するための
プロンプト設計について解説しました。

ホラー系の音楽は、
派手なメロディよりも「空気感」が重要になります。

ゲーム制作や映像制作の中で、
「怖さをどう音で表現するか」悩んでいる方の
参考になれば幸いです。


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