はじめに:AIで思い通りの「レトロ音」を作るには?
「Suno AIでゲームのBGMを作りたいけれど、なんとなく『Game Music』と入力しているだけ」 「ファミコン風のピコピコ音を出したいのに、なぜか現代風の豪華な音になってしまう」
そんな悩みをお持ちではありませんか?
Suno AIは非常に優秀ですが、「音色の指定(Styleタグ)」を少し工夫するだけで、生成される音楽のクオリティや時代設定が劇的に変化します。
今回は、ゲーム音楽の定番である「8-bit」「16-bit」「Chiptune」などの音源タグを、実際の生成結果と比較しながら徹底的に深掘り解説します。
実際にSuno AIで生成した聴き比べ動画も作成しましたので、音の違いを確かめながら読み進めてみてください。
検証動画:
まずは、実際に生成した音声の比較動画をご覧ください。
【検証条件】 今回の比較では、純粋な「音源(チップ)の違い」を検証するため、以下のプロンプトをベースに先頭のタグのみを変更しています。
Style指定: [変化させる部分], J-Fusion, Instrumental
あえて「J-Fusion(フュージョン)」を指定しているのがポイントです。フュージョンはベースラインやコード進行が複雑なため、各ハードウェア(音源)が得意とする音の質感がはっきりと現れるからです。
1. 各スタイルタグの徹底解説
Suno AIが学習している(と思われる)各ジャンルの定義と、実際にどのような音が生成されるのかを解説します。なお、今回はシンプルなメタタグにしていますが、もう少し細かく再現していくと、狙った音に近づいていきます。今回は作られる音の違いの比較として見てください。
① 8-bit(8ビット / ファミコン風)
【概要】 1980年代の家庭用ゲーム機(NES/ファミコンなど)を象徴する音です。 実機は「矩形波(くけいは)2音、三角波1音、ノイズ1音」という極めて少ない音数制限がありました。
【Suno AIでの特徴】
プロンプトに8-bitと入力すると、Sunoは「音数を減らす」という挙動を見せます。
和音(コード)をジャカジャカ鳴らすのではなく、高速アルペジオ(パラララ…という分散和音)で擬似的にコード感を表現する、当時のテクニックが再現されやすいのが特徴です。
「ピコピコ音」を作りたいなら、まずはこのタグが基本になります。
ただ、前の記事でも書きましたが音源(音)をSUNOが持っていないため、ファミコンに寄せた音が鳴るという事に注意してください。
② 16-bit(16ビット / スーパーファミコン風)
【概要】 1990年代前半のゲーム機(SNES/スーパーファミコンなど)の音です。 PCM音源(録音された音のサンプリング)が使えるようになりましたが、容量制限があったため、少しこもったような独特の圧縮音源の質感があります。
【Suno AIでの特徴】
16-bitを指定すると、8-bitと比較して音に一気に「厚み」が出ます。8-bitとは明らかに違う少しリッチな音になるのが分かると思います。そのため、SUNO側でも音を再現しようと寄せているのが分かります。
③ Chiptune(チップチューン)
【概要】 これはハードウェアの名前ではなく、「ピコピコ音を使った音楽ジャンル」の名前です。 現代のアーティストが作るチップチューンは、実機の制約(同時発音数など)を無視して、DAWで豪華にエフェクトをかけたり、高速BPMで展開させたりします。
【Suno AIでの特徴】
Chiptuneと指定すると、8-bitのようなレトロさよりも、「現代的でキャッチーなポップさ」が優先されます。音質もクリアでハイファイになりやすく、音ゲーや現代のインディーゲームのような、キラキラしたサウンドになります。
④ FM Synth(FM音源 / メガドライブ風)
【概要】 1980年代後半のアーケードゲームや、セガのメガドライブなどで使われた音源方式です。 金属的な響きや、ゴリゴリとしたベース音が特徴で、当時のゲーマーには熱狂的なファンが多い音色です。
【Suno AIでの特徴】
FM SynthやSega Genesisと入れると、「ビョンビョン」という独特のベース音や、キラキラしたベル系の音が強調されます。今回の共通テーマである「J-Fusion」との相性が最も良く、疾走感のあるカッコいい曲になりやすい最強のタグの一つです。
⑤ TR-808(リズムマシン)
【概要】 Roland社が1980年に発売した伝説のリズムマシンです。 「ヤオヤ」の愛称で親しまれ、現在のヒップホップやトラップミュージック、テクノの基礎となった「ドーン」という重低音バスドラムが特徴です。
【Suno AIでの特徴】 これを指定すると、メロディよりも「リズム(ビート)」が強調されます。 レトロゲームというよりは、少しストリート感のある、低音が効いたモダンなBGMになります。パズルゲームや、サイバーパンクな世界観のBGMを作りたい時に有効です。
2. 目的別:どのタグを使うべき?
ゲーム制作の現場でBGM素材を作る際、どのように使い分けるべきかの指針をまとめました。
レトロゲームの再現・ドット絵ゲーム 👉
8-bitまたはNES(完全に懐かしい雰囲気にしたい場合)ストーリー性のあるRPG・アクション 👉
16-bitまたはSNES(少しリッチで、感情表現豊かな曲にしたい場合)現代のインディーゲーム・音ゲー 👉
ChiptuneまたはBitpop(レトロな雰囲気は欲しいが、音圧やノリは現代風にしたい場合)疾走感のあるレース・シューティング 👉
FM Synth(クールで金属的な、大人っぽいカッコよさが欲しい場合)
まとめ:プロンプトで時代を操ろう
今回の検証動画で確認できた通り、共通のジャンル(J-Fusion)であっても、先頭の「音源指定タグ」を変えるだけで、曲の印象はガラリと変わります。
Suno AIは、私たちが入力したテキストから「その時代背景」や「ハードウェアの制約」まで推測して、音を作り出しています。
ぜひ皆さんも、自分の作りたいゲームの世界観に合わせて、これらのタグを使い分けてみてください。「なんとなく」で作っていたBGMが、一気に「狙い通り」のBGMに変わるはずです。
【使用ツール】
音楽生成:Suno AI
この記事が個人ゲーム制作や動画作成のBGMなどの役に立ったら嬉しいです。
※SUNOの仕様はアップデートにより変更される可能性があります。
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